Raspberry Pi3 Model Bの電源用モバイルバッテリー、第二段です。
今回は、モバイルバッテリーcheero Power Plus 10050mAh DANBOARD versionを購入してみました。
このモバイルバッテリーは、大まかに分けるとオリジナルカラーとFLOWERSの2つのバージョンがありますが、ただの色違いです。
ちなみに、どちらもAuto-IC機能というものがついていますが、これは最近のスマホに関係する機能なので、Raspberry Pi用のバッテリーとして使用する場合は無用の機能です(スミマセン。以前Auto-ICについて誤った記事を書いてました。お詫びします)。
値段に違いが無ければ、好みの方を選べば良いと思います。
このモバイルバッテリーは、2ポート合計の最大出力が3.4[A]となっていますが、この値を超えない範囲で、各ポートの出力電流が配分されます(以前のバージョンでは、1ポートあたりの出力電流が2.1[A]という上限がありました)。
さて、私が購入したのはFLOWERSのアジサイ色。
早速、Raspberry Pi3 Model Bの電源として使えるのか、実際に検証してみました。
Anker PowerCore 10000の検証の場合とほぼ同様です。
■cheero Power Plus 10050mAh DANBOARD versionの1ポートのみの使用で、2.5[A]出力できるかの測定
■cheero Power Plus 10050mAh DANBOARD versionのオートパワーオフが働く電流値と、Raspberry Pi3 Model Bの待機電流値の比較
オートパワーオフとは、バッテリーの出力電流が、ある一定の値以下になると、電源が自動的にオフになってしまう機能です。
ほとんどのモバイルバッテリーには、オートパワーオフが備わっており、cheero Power Plus 10050mAh DANBOARD versionも同様です。
Raspberry Pi3の消費電流が最小になった時、つまりボード単体での待機時に、オートパワーオフが働いてしまわないか検証します。
■cheero Power Plus 10050mAh DANBOARD versionの1ポートのみの使用で、2.5[A]出力できるかの測定
この測定には、次の2つの機器を使用します。
・waves QC3.0 USB チェッカー 上位モデル(正確な測定値は小数点以下2桁まで)
・モバイルバッテリーUSB放電器(リフレッシャー)15W負荷調節可能つき
モバイルバッテリーに負荷をかけるために使用します。
公表されているcheero Power Plus 10050mAh DANBOARD versionのスペックは、定格電圧5[V]、2ポート合計で最大電流3.4[A]です。
以前のバージョンだと、1ポートあたりの上限が2.1[A]でした。
このモバイルバッテリーは、1ポートのみの使用であれば最大3.4[A]まで出力できるはずです。
しかし、今回はモバイルバッテリーUSB放電器の負荷が上限3.0[A]なんですね。
なので、残念ながらテストは3.0[A]まで。
cheero Power Plus 10050mAh DANBOARD versionには出力ポートが2つ付いているので、1つずつテストした結果です。
まずは1つめのポートのみ。
続いて、2つめのポートのみでは・・・
上の画像のとおりの結果となりました。
くどいようですが、放電器の最大負荷が3[A]までなので、テストも3[A]を上限とします。
1つめのポートのみ:4.92[V]、3.10[A]
2つめのポートのみ:4.93[V]、3.10[A]
(このUSBチェッカーの有効桁数は小数点以下2桁まで。それより小さい桁は切り捨てます)
Raspberry Pi3 Model Bの推奨値が2.5[A]という事を考えると、3.1[A]という値は十分だと思います。
もちろん1つのポートのみを使用する場合に限ります。
■cheero Power Plus 10050mAh DANBOARD versionのオートパワーオフが働く電流値と、Raspberry Pi3 Model Bの待機電流値の比較
まずは、cheero Power Plus 10050mAh DANBOARD versionのパワーオフ値について。
残念がら、先に使用したモバイルバッテリーUSB放電器では150[mA]~3.0[A]の範囲でしか負荷がかけられません。
そこで、次の器具を使用。
・4本に枝分かれしたUSBケーブル
・5[V]40[mA]のLED
・5[V]20[mA]のLED
USBケーブルにこれらのLEDを組み合わせてつなぎ、20[mA]間隔で負荷をかけてテストしました。
*ハブとなっていますが、電力供給専用ケーブルです。データ通信はできません。
uxcell USB SMD LEDナイトライトランプ 5V40mA 2個
星光産業 USBイルミカバー ブルー EL-168 5V20mA 2個
何度もテストしてみた結果、60[mA]以下ではオートパワーオフが働き、80[mA]ではセーフでした。
大雑把に測定してしまったのが原因か、それとも偶然か、Anker PowerCore 10000と同様の結果に・・・。
最低でも80[mA]流れていればcheero Power Plus 10050mAh DANBOARD versionのオートパワーオフは働かないと考えて良いと思います。
次に、Rasperry Pi3 Model Bボード単体での待機電流値の測定結果ですが、Anker PowerCore 10000の検証記事で書いたとおり、Raspberry Pi3 Model Bの待機電流値は約350[mA]。
内蔵のWiFiがONになっていた可能性もあり、他のネット上で公表されている値よりも少し高めです(210[mA]となっているサイトもありました)。
どちらにしても、オートパワーオフが働く電流値80[mA]は余裕で超えています。
Raspberry Pi3 Model Bが待機状態になった時に、オートパワーオフが働く可能性は低いと思われます。
~結論~
cheero Power Plus 10050mAh DANBOARD versionについて
・1つのポートのみを使用した場合の出力は、Raspberry Pi3 Model Bの推奨値を軽くクリア
・オートパワーオフが働く電流値は80[mA]未満
(Raspberry Pi3 Model Bが待機状態であっても、オートパワーオフが働く可能性は低い)
という事で、cheero Power Plus 10050mAh DANBOARD versionはRaspberry Pi3 Model Bの電源としての条件はクリアしています。